2007年09月16日
「子乞い」

ドラマ「瑠璃の島」の基となった、作者の森口氏の40年にわたる鳩間島の定点観測によるドキュメント。
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オビの言葉
80年代初頭、小学生がたったひとりになった鳩間島の住民は、親戚の子を島外から借りてきてまで小学校を存続させようとした。
いまでは全国各地から居場所を失った子どもたちがこの島へやってきて、自分らしさを回復して帰っていく。
でも子どもたちは、はたして海や空の青さだけに癒されるのだろうか。
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学校がなくなれば島の文化が衰退する、だから親戚の子でも施設の子でもこの島に連れてきて学校を存続させたい。
いや、目先のことだけでは駄目だ。人がこの島に根付くような産業を確立させなければ。この島でずっと生活して、この島で子供を産んで育てて・・・
青い空に青い海、そこに住むのんびりした人々に癒される・・・
そんな作られた薄っぺらいイメージではとうてい太刀打ちできない島の現実が描かれている。
現実の問題への対応方法としては、私自身、どういう方法がベストなのかわからない。
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オビの言葉に戻ると、
「でも子どもたちは、はたして海や空の青さだけに癒されるのだろうか。」
癒されるとはまたイメージは異なるが、
現実を知る、受け入れる、そしてなにかのアクションを起こし、そして自分自身が人間的な成長をして、そしてもとの場所に帰っていく。
ここにはなにかのアクションを起こすだけのコミュニティが残っていたということなのだろう。
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なにはともあれ、鳩間島に行くまでに読み終えてよかった。
Posted by tana at 10:15│Comments(0)
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