「ときどき意味もなくずんずん歩く」

tana

2011年03月05日 22:52

「スットコランド日記深煎り(宮田珠己著)」をさすがにそろそろ買おうかと思ったが、一足飛んで「だいたい四国八十八ヶ所」を買うことにした。
「だいたい四国八十八ヶ所」なにやら予想外に売れているらしく、重版も決定したらしい。

そんなわけでいつものフタバメガに行く。


・・・ない。


旅本コーナーにあるだろうと勇んだが、高橋歩はいっぱい平積されているのに、こちらは「わたしの旅に何をする。」がぽつんと一冊あるだけで、宮田珠己のみの字もない。もちろんエッセイのコーナーにもないし、ましてや新刊コーナーにもない。

検索があったので探してみると「在庫なし」

・・・なんということ。

全く何やってんだ、フタバ図書。そんなわけで紀伊国屋の偉大さを改めて感じたわけでした。



そんなわけで何も買わずに出ようと思ったが文庫コーナーでつい「ときどき意味もなくずんずん歩く」(幻冬舎文庫)を手に取ってしまう。これは「52%調子のいい旅」を文庫にしたものである。


その本を手に取ったまま、そのままレジへ。結局勢いで購入した。
「52%調子のいい旅」を持ってるにもかかわらず・・・である。




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家に帰って読んでみると不思議なことが起こった。
読んでみたら前読んだ時とこの本の印象が違うのだ。何故だかわからないが、この本とても面白い。


いや、もちろん面白いにこしたことはないのだが、私が感じた違和感とは「52%・・・」を読んだその当時、私はその本に対し何か物足りないな・・・と思っていたから。
「52%・・・」を買ったのは2003年頃、あれから8年近く経過し、印象が変わったのだろうか?
当時の物足りなさが、あまり旅エッセイという感じではなかったからなのか、これまでの「旅の理不尽」や「私の旅に何をする」に比べて突き抜け感がなかったからなのか、それとも文体のマンネリ感だったのか、今となってはわからないが。

とにかく、今回読んで面白かった。


その面白さはただ爆笑するだけというものではなく、計算する気はなくても奥深くで自動計算されているような、なんというか完成された落語のような面白さである。


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なお、「52%調子のいい旅」については、こちら(辺境の旅はゾウに限る)でも記載しています。
「ディーヴ(この本では「幻の町」)」の話

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