「ときどき意味もなくずんずん歩く」
「スットコランド日記深煎り(宮田珠己著)」をさすがにそろそろ買おうかと思ったが、一足飛んで「だいたい四国八十八ヶ所」を買うことにした。
「だいたい四国八十八ヶ所」なにやら予想外に売れているらしく、重版も決定したらしい。
そんなわけでいつものフタバメガに行く。
・・・ない。
旅本コーナーにあるだろうと勇んだが、高橋歩はいっぱい平積されているのに、こちらは「わたしの旅に何をする。」がぽつんと一冊あるだけで、宮田珠己のみの字もない。もちろんエッセイのコーナーにもないし、ましてや新刊コーナーにもない。
検索があったので探してみると「在庫なし」
・・・なんということ。
全く何やってんだ、フタバ図書。そんなわけで紀伊国屋の偉大さを改めて感じたわけでした。
そんなわけで何も買わずに出ようと思ったが文庫コーナーでつい
「ときどき意味もなくずんずん歩く」(幻冬舎文庫)を手に取ってしまう。これは「52%調子のいい旅」を文庫にしたものである。
その本を手に取ったまま、そのままレジへ。結局勢いで購入した。
「52%調子のいい旅」を持ってるにもかかわらず・・・である。
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家に帰って読んでみると不思議なことが起こった。
読んでみたら前読んだ時とこの本の印象が違うのだ。何故だかわからないが、この本とても面白い。
いや、もちろん面白いにこしたことはないのだが、私が感じた違和感とは「52%・・・」を読んだその当時、私はその本に対し何か物足りないな・・・と思っていたから。
「52%・・・」を買ったのは2003年頃、あれから8年近く経過し、印象が変わったのだろうか?
当時の物足りなさが、あまり旅エッセイという感じではなかったからなのか、これまでの「旅の理不尽」や「私の旅に何をする」に比べて突き抜け感がなかったからなのか、それとも文体のマンネリ感だったのか、今となってはわからないが。
とにかく、今回読んで面白かった。
その面白さはただ爆笑するだけというものではなく、計算する気はなくても奥深くで自動計算されているような、なんというか完成された落語のような面白さである。
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なお、「52%調子のいい旅」については、こちら(辺境の旅はゾウに限る)でも記載しています。
「ディーヴ(この本では「幻の町」)」の話
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